亀田 峻宣
かめだ たかのぶ|代表取締役
人が育たないとき、個人を責めるのではなく、組織の構造を見に行く。深刻な課題ほど、面白がる力が要る——「楽しい・面白い」を最優先の価値観に、研修から仕組みづくりまで、人が育つ環境の設計に取り組んでいます。
これまでの登壇は、のべ約300社・約50,000名(概算)、登壇時間は累計10,000時間を超えます(いずれも研修エージェント経由の登壇と、2025年の法人設立前の実績を含みます)。
新卒で入ったベンチャーキャピタルは、環境にも人にも恵まれていました。それでも私は、当たり前とされる定型業務や事務処理でミスを重ね、周りのスピードや暗黙の了解についていけませんでした。「史上最大の問題児」と言われたこともあります。自分のできなさに疑問を持って受診し、ADHD(注意欠如・多動症)と診断されました。良い環境で、良い人に囲まれても、人と仕事の噛み合わせがずれると力を発揮できないことがある——最初の気づきです。
その後、出向先でパワハラを受けました。毎日の怒号のなかで、「自分は社会に適合できない欠陥品なんだ」と自分を責め続け、心身の限界まで追い込まれました。ただ、頭の片隅にはずっと問いがありました。「なぜこの組織は、こうした関係のゆがみを放置し続けるのか」。個人の能力や性格を責めるだけでは説明がつかない——組織の構造を見に行く、いまの仕事の原点です。組織で働くこと自体が怖くなり、私は会社を辞めました。
フリーランスになっても仕事は細々としたもので、食べていけませんでした。どん底のなかで、逃げ込むように始めたのが進学塾のアルバイトです。小学生に社会を教えるとき、年号を覚えさせるのではなく歴史や地理の「なぜ」を語ると、退屈そうだった子どもたちの目の色が変わる瞬間がありました。人は、知ることで動く——教える仕事の原点です。フリーランスになってからも、理不尽に追い詰められる経験がありました。それでも、教壇に立つことはやめませんでした。
やがて大学の教壇に立つようになりました。学生たちが新しい知識に触れ、体験を積み、目の前で成長していく。その姿を間近で見られる毎日は充実していて、幸せな時間でした。一方で、何も変えられないまま終わる授業もあり、「どうすれば受講者は変わるのか」を真剣に考えはじめたのも、このころです。
それでも、私が本当に手助けしたかったのは、社会人として日々いろんな思いを抱えながら現場で戦っている方々でした。かつての悩み続けた自分のような人の、お手伝いをしたい。そう考えて、企業研修へ軸足を移しました。
ある企業研修の受講者は、会社への不満を他責的に語る中堅社員の集団でした。議論を重ねた末に「では、あなたたち自身は会社を良くするために何をしますか」と問いかけると、場に沈黙が訪れ、そこから会社を前向きに変えるディスカッションが始まりました。研修が人と組織を変えるきっかけになる——その確信を得た日です。
一方で、登壇を重ねるほど、虚しさも積もっていきました。経営と現場のあいだに深い溝のある企業では、予定していたプログラムをすべて組み替えて対話の場をつくり、歩み寄りのきっかけは生まれました。しかし、単発の研修が届くのはそこまで。個人の意識をいくら高めても、帰っていく職場や仕組みが歪んだままなら、砂浜に作った城のように波にさらわれてしまう。この経験が、評価・制度・体制まで含めて人事の全体に関わっていく、現在の仕事につながっています。
人と組織に新しい物語が生まれる瞬間を、これからもつくりつづけます。
いまの新譚舎は、経理・案件管理・教材制作の多くをAIエージェントに任せて運営しています。自社で毎日AIを運用している当事者として、AI時代の人材育成を「ツールの紹介」ではなく実例で語れることが持ち味です。講師向けの生成AIエージェント勉強会も共催しています。試行錯誤の記録はnoteで発信しています。詳しくはAI活用・業務効率化のページへ。
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